温泉街の古民家4(屋根裏調査)

前回に引き続き、温泉街の古民家調査の報告をします。今回は屋根裏調査です。
 
2階押入れの天井板を退かして、脚立に上がって屋根裏を覗きました。真っ暗な中ライトを照らしてみると、本来の屋根葺材である茅が現れました。
 

 
縄で材同士を結っています。風雪に何十年と耐えていた手仕事の素晴らしさがよくわかりますね。そして、辺りを見回すと・・・梁がありません。注意深く見てみると、なんと古い梁が切られてしまっていました!
 

 
どうやらこれは、昔大工さんが2階に個室を造作した時に、居室空間の天井高を取るため、古い梁を取り除いて、新しい梁を無理やり納めたようです。まさかこんなことになっているとは!と、ご主人も全くご存じでなかったようです。さらに、廊下の天井のために、別の梁やサスも途中で切られていました。
 
屋根全体で見ますと、2つの問題を発見しました。一つは、南側の屋根が繰り返した店舗改修のため、雨漏りしていたということ。もう一つは、北側で、2階に居室スペースを作るために主要構造材を切り落としていたということ。歴史のあるお家には様々なことがありますね。
 
今回の調査を基に再生計画を検討していきます。